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英語圏の音楽を中心にお届けします。海外メディアに埋もれている情報などゆるゆると。ちなみにNYは行ったことありません。

歌声と喋り声が別人のWé McDonald(ウェイ・マクドナルド)から目が離せない

オーディション番組「The Voice(アメリカ版)」のシーズン11が、9月中旬にスタートしました。シーズン10は特別に応援したい人がいなかったので、途中で見るのをやめてしまいましたが、今回は逸材揃いです。特にユニークなのは、17歳のWé McDonald(ウェイ・マクドナルド)。日本人にも覚えやすい名前ですね(笑)

歌声の成熟ぶりが凄まじいことはさることながら、驚くのは、喋り声とのギャップ。もはや別人の域です。The Voiceはブラインド・オーディションから始まり、審査員が挑戦者と話せるのはパフォーマンスが終わってから。彼女は名曲「Feeling Good」を披露し、全員にボタンを押させたわけですが、「お名前は?」と聞いて、返ってきた声に、審査員一同「Whaaaaat?!」(笑)まずは、その様子をご覧ください。

ブラインド・オーディション:Wé McDonald "Feeling Good"

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オーディションでも話しているように、彼女は長年、いじめにあっていたそうです。原因は分厚い眼鏡をかけていたことと、高い喋り声。音楽家が多い家の生まれで、4歳から歌っていたそうですが、歌手を目指すきっかけとなったのは、この経験が大きく影響しています。

At one point, I felt very alone and I didn’t know how to express my feelings. I found a way to do that through music and I wanted to touch other people who felt the way I did.

一時、とてつもない孤独を感じ、自分の感情をどう表現したらいいか分かりませんでした。音楽を通じて、それができることを知り、私が感じていたような孤独のなかにいる人たちの心に届けたいと思うようになりました。

いまや、いじめられていた原因こそが、彼女の存在感を高める重要な要素。そして、辛い経験が、17歳とは思えない豊かな感情表現を生み出しているのだと思います。

バトル:Lauren Diaz vs. Wé McDonald "Maybe"

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深いソウルフルな歌声から1:25の高音まで!そして相変わらずの喋り声!パワーハウスのお姉さん相手に、差を見せつけてノックアウトへ進出。

ノックアウト:Wé McDonald "No More Drama"

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メアリー・J・ブライジの「No More Drama」は感情表現の力量が問われる名曲で、苦労を知らない人が歌うと安っぽい曲になってしまいます。オーディションでこれを選ぶ人は、苦労レベルに相当な自信がある人と言っていいでしょう(笑)私は苦労人に強く惹かれるので、この曲が出てくると、いつもキタキターと胸が高鳴ります。The X Factor UKで優勝したJames Arthurのバージョンや、最後のアメリカンアイドルで準優勝したラポーシャのバージョンもお気に入りです。James Arthurはこの回で感情を出し切りすぎて、ステージ裏で失神したらしい(笑)

そういう意味で、17歳でこれを歌いこなすのは難しいわけですが、彼女の手にかかれば47歳の歌声ですね(笑)素晴らしいです。彼女がどんな風に垢ぬけていくのか、これからのパフォーマンスが楽しみです!

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